壁といえば何となく、遮断するもの、或いは乗り越えるものなどをイメージしそうだが、私のいう[17歳の壁]のイメージは、自我の[フィルター]とでも言おうか、物事の判断基準になるべき[価値基準]といえる。しかも17歳の自我は確固たる固定化が進み易い頃で、自分の価値基準に沿って物事を判断し、行動し結論付けようとする傾向が顕著だ。それは自然なことで、逆にその頃になっても、親や周囲の価値基準に従うだけの子供は未だ自我のフィルターが確立されていないと言える。
素直に親の意見が聞けない、大人の価値観に反発したくなる、というのは自我が確立しつつある証拠だ。逆に言えば、12歳から17歳ぐらいまでの思春期に相当する期間の過ごし方や環境や経験値は、今後の人生にとてつもない影響を与えると言っても過言ではない。そして、自我の確立とともに出来上がる[壁=フィルター]は、無意識に全ての行動指針の基準になり、またその判断基準の拠り所になり得る大切な壁だ。
人生の歩みに次々と現れる、乗り越えなければならない壁が立ちはだかる際に、チャレンジすべき判断基準のフィルターで、突破すべきか回避すべきかを瞬時に決定してしまう、心の拠り所とも言える[武器]になるのだ。それこそ[武器]は、心の柔軟な素直な状態の感性豊かな思春期に磨かれた最新鋭の[武器]として持って欲しいのだ。そうして手に入れた武器は、自我を確立しながら人生の荒波を乗り越えながら進む指針になっていくのだ。また、実年齢だけで自我の確立を定義するのではなく、心の柔軟な素直な人はいくら年を重ねても⻘春まっ只中な状態で、固定概念に縛られず、自我を拡大再生産しながらどんどんバージョンアップさせるので、自らの成⻑を止めない。
基準の壁=フィルターはできるだけ高い基準設定をするのが、成⻑とともに大切な要素になってくる。わかりやすい例で示すと、野球が大好きな少年二人が、一方は甲子園を目指す野球少年と、他方は近所の公園で楽しむ野球少年では、練習や野球そのものの取り組み自体の基準が違うのは、容易に想像がつく。素振りの回数や自主的練習の頻度や自ずと課す練習量や質に差が出るのは、甲子園レベルという基準が存在する為だ。そして、甲子園を目指す野球少年は、幼い頃から自ら基準を高く設定し練習を励んできたからこそ、甲子園出場という夢を抱き続けることが継続できているのだ。
出場のための基準は、言われるまでもなく自らが高く設定済だから、厳しい練習にも耐え継続できているのだ。基準の壁の高さも大切な時期だが、環境の壁や経験の壁も重要な要素になってくる。先ほどの甲子園を目指す野球少年の例なら、幼い頃から[リトルリーグ]などのチーム所属に始まり現実の高校球児時代になると、どうしても甲子園へ出場実績のある高校での在籍を最優先に環境配備していくのは当然と言える。その環境ならではの無言の到達レベルが存在し、ましてやレギュラー確保の熾烈な競争を勝ち抜くための個々の基準も、相当高く設定しながら皆しのぎを削る毎日という環境にあるのだ。周囲が皆、甲子園を目指して頑張る環境があるから、その中で個々の才能も切磋琢磨され伸ばされていく現実が有り、対外的な実戦経験を数多く積むことでチーム力や個々の能力も上がっていくのである。野球を例に挙げたが、その他のスポーツでも全般的に同様の要素で構成されていると言ってもよいだろう。
また、芸術分野もしかりである。要は、各々の分野で歴然と存在するレベルに、自分がどのように限界突破できるか否かは、自ら設定した基準レベルの高さや程度次第なのである。そして、自分の設定したレベルに見合う環境を求め、そして経験を重ね、生き甲斐につなげていくのである。価値基準の高低があるだけで、善悪の問題ではない。高い基準で自分を位置づけて初めて達成感なり満足を得る人もいれば、低い基準でそれなりに楽しみながら満足している人もいる。学業や仕事や趣味の世界だって何でも、自分の価値設定レベルに応じてそれ相応なポジションに存在できているのである。要は、自分の落ち着く居心地の良いポジションで人は収まっていくのが現状である。自ら収まっている世界を突き破り、現状を打破するためには、自分の価値基準をバージョンアップするしかない。バージョンアップするために大切なのは、環境のバージョンアップと経験のバージョンアップも並行に実践するのが何よりとされる。次に、環境と経験のバージョンアップについて考察してみたい。
…[次回に続く]
ウクライナとロシアの紛争勃発から3年が経過しイスラエルとイランがミサイル攻撃を始める等世界に緊張の火種は続き、アメリカはトランプ政権下での分断が更に進行しながら混迷を極めている。激変するのは世界情勢のみならず、AIの取り巻く環境も既存の概念を打ち破りながら日々進化している様相だ。激変の渦に流されない様に、自身の展望はしっかり持ちたいものです。
今月の予定
○14日〜19日成績懇談会
○21日〜8/23夏期講習開始
○8/15〜17日夏季強化合宿
★夏期講習、夏季合宿は外部生徒も参加できます。夏休みを有意義に過ごす為お友達と奮って参加しよう!
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